精神科デイケアってどんな場所?
精神障害者の社会生活機能の回復を目的として個々の患者に応じたプログラムに従ってグループごとに治療するものであり、実施される内容の種類にかかわらず、その実施時間は患者一人当たり一日につき6時間を標準とする
厚生労働省より引用
「精神科デイケア」という言葉を聞いたことはありますか?
「デイケア」と聞くと、高齢者の方が通うデイサービスを思い浮かべる方が多いかもしれません。精神科デイケアは、それとは異なる、精神科に特化した通所施設です。
簡単に言えば、心の病気や不調を抱える方が、日中に通いながら、生活のリズムを整えたり、人との関わりを練習したり、社会復帰を目指したりする場所です。

精神科デイケアは「通いながら回復を支える」場所
精神科デイケアは、精神科の病院やクリニックに併設されていることが多い、日帰りの通所施設です。
入院するのではなく、自宅から通いながら、日中の時間を使って様々なプログラムに参加します。夕方には帰宅するので、自宅での生活を続けながら利用できるのが特徴です。
厚生労働省が定める医療制度の一つで、精神科の医師の指示のもとで利用します。医療保険が適用されるため、他の医療サービスと同様に、自己負担割合に応じた費用で利用できます。
どんな人が利用しているの?
精神科デイケアを利用する方は様々です。
・病院を退院した後、いきなり仕事や学校に戻るのは不安という方
・自宅にこもりがちで、生活のリズムが崩れてしまっている方
・人と関わる機会が少なく、孤立感を感じている方
・仕事復帰や就職を目指して、準備をしたい方
・病気と付き合いながら、地域での生活を安定させたい方
年齢も10代から高齢者まで幅広く、抱えている状況も一人ひとり異なります。
利用を検討する際は、精神科の主治医と相談しながら決めていくことになります。
デイケアでは何をするの?

精神科デイケアでは、様々なプログラムが用意されています。施設によって内容は異なりますが、一般的には以下のような活動があります。
生活に関わる活動
- 軽い運動やストレッチ
- 料理や買い物の練習
- 生活リズムを整えるための活動
人との関わりを広げる活動
- グループでの話し合いやゲーム
- 創作活動(絵画、工作、音楽など)
- レクリエーション
社会復帰に向けた活動
- パソコン練習
- 就労に向けたトレーニング
- 社会資源についての学習
プログラムへの参加は強制ではなく、その人のペースや体調に合わせて選べることがほとんどです。最初は週に1〜2回から始めて、徐々に回数を増やしていくこともできます。
スタッフには、精神科の医師、看護師、作業療法士、精神保健福祉士、臨床心理士などの専門職が配置されており、それぞれの専門性を活かして支援にあたっています。
高齢者向けの「デイサービス」(通所介護)との違い
通所介護とは、利用者(要介護者)を老人デイサービスセンター等に通わせ、当該施設において、入浴・排せつ・食事等の介護、生活等に関する相談及び助言・健康状態の確認その他日常生活上の世話、機能訓練を行うものをいう。
厚生労働省より引用
「デイケア」という言葉から、介護保険で利用する高齢者向けのデイサービスを想像する方もいるかもしれません。
両者は名前が似ていますが、対象も目的も異なります。
高齢者向けデイサービス(介護保険)
- 主に高齢者が対象
- 介護保険を使って利用
- 入浴、食事、機能訓練などが中心
精神科デイケア(医療保険)
- 年齢を問わず、心の不調を抱える方が対象
- 医療保険を使って利用
- 生活リズムの回復、対人関係の練習、社会復帰支援が中心
どちらも「日中に通う場所」という点では共通していますが、制度上も内容も全く別のものです。
精神科デイケアの役割
精神科デイケアは、病院と地域社会の「中間」のような存在です。
病院を退院した後、いきなり元の生活に戻るのは難しいことがあります。また、通院だけでは日中の過ごし方に困ったり、孤立してしまったりすることもあります。
デイケアは、そうした方々が、
- 安心して過ごせる居場所を得る
- 規則正しい生活リズムを取り戻す
- 同じような経験をした仲間と出会う
- 社会参加に向けた準備をする
といったことができる場所として機能しています。
利用する期間も人それぞれです。数ヶ月で終了する方もいれば、何年も通いながら地域での生活を安定させている方もいます。その人のペースで、その人なりの目標に向かって進んでいける場所です。
まとめ
精神科デイケアは、心の不調を抱える方が、日中に通いながら回復を目指せる医療施設です。
プログラムに参加しながら、生活のリズムを整えたり、人との関わりを広げたり、社会復帰の準備をしたりできます。医師の指示のもとで医療保険を使って利用でき、様々な専門職が支援にあたっています。
利用を検討される際は、精神科の主治医と相談しながら、自分に合った使い方を見つけていくことが大切です。
デイケアは、一人ひとりの回復のペースを尊重しながら、地域での生活を支える選択肢の一つとして存在しています。
※
この記事は、精神科デイケアについての制度的・一般的な説明を目的としています。
利用の可否や内容は、主治医や医療機関の判断によって異なります。
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